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令和初国賓トランプ氏今夕到着 都内警備は最高レベル - 日本経済新聞

トランプ米大統領は25日午後、羽田空港に到着する。安倍晋三首相との首脳会談や天皇、皇后両陛下との会見、大相撲観戦などが予定されている。警察はテロやトラブルを警戒し、「過去最高レベル」(警視庁幹部)の警備態勢を敷く。交通規制やコインロッカーの使用中止など、令和初となる国賓の来日は、日常生活にも影響を及ぼしている。

トランプ米大統領の来日を控え、迎賓館周辺で警戒する警察官(25日午前、東京都新宿区)

トランプ米大統領の来日を控え、迎賓館周辺で警戒する警察官(25日午前、東京都新宿区)

トランプ氏は25日午後に大統領専用機で来日し28日まで滞在する。大統領としての来日は2017年11月に続いて2回目だ。首相はゴルフや大相撲観戦などを通じて、トランプ氏との友好関係を深めたい考えだ。

両首脳は4月下旬にホワイトハウスで会談し、6月下旬に大阪で開く20カ国・地域(G20)首脳会議にあわせた会談も予定する。日米首脳が3カ月続けて会うのは極めて異例だ。

首脳会談では日米の貿易交渉や北朝鮮をめぐる対応について協議する見通しだ。首相は北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向け、日朝首脳会談の開催への支援を改めて求めるとみられる。

来日を目前に控えた25日朝、首脳会談が27日に行われる迎賓館(東京・港)近くで車両検問があり、警察官が車内に不審物がないか調べていた。

警察が動員する警察官は最大約2万5千人。警備内容は異なるが、16年の伊勢志摩サミット(約2万3千人)の規模を上回る。警視庁幹部は「国際的にテロの脅威が高まっており、最高レベルの態勢を組んだ」と話す。

武装テロリストに対応するため、警視庁は特殊部隊を配備する。サブマシンガンを携行し現場に最初に投入される「緊急時初動対応部隊(ERT)」、海上で水上バイクなどを活用する「臨海部初動対応部隊(WRT)」が待機する。

警備関係者が頭を悩ませるのが26日の両国国技館(東京・墨田)での大相撲観戦だ。過去に観戦したシラク仏大統領(当時)ら要人は貴賓席や上段の席だったが、トランプ氏は土俵近くの升席に座る。表彰式では土俵に上がって優勝力士に賞杯を授与する計画だ。

すり鉢状の構造の国技館で升席は底に当たり、「四方から見下ろせる位置にいる要人を警護するケースはまれ」(警視庁幹部)という。横綱が負ける番狂わせがあれば上段の客席からトランプ氏の頭上へ座布団が舞ったり、物が投げ込まれたりする恐れもある。トランプ氏の周囲の席を米大統領警護隊(シークレットサービス)や警視庁のSPで取り囲む形で安全を確保するとみられる。

首都高速道路では交通規制が実施される(25日午前、東京都千代田区)

首都高速道路では交通規制が実施される(25日午前、東京都千代田区)

政府はドローン(小型無人機)によるテロやトラブルにも神経をとがらせる。ドローン規制法に基づき、来日期間中、首相とゴルフを行う予定の千葉県茂原市のゴルフ場や、両国国技館といった10施設の周辺の飛行を禁止した。ドローン対応に特化した警視庁の「無人航空機対処部隊(IDT)」も警戒に当たる。

トランプ氏の来日に合わせ、警察は首都高速道路の一部を規制。鉄道各社はテロ対策のため、主要駅などのコインロッカーやゴミ箱を使用中止とした。

25日午前、東京駅地下にあるロッカースペースでは、観光客やビジネスマンらが「使用中止」の張り紙を前に困惑する姿がみられた。京都府の男性会社員(24)は「大きな荷物は邪魔になるが、安全のため仕方ない」と諦め顔。静岡県の女性会社員(44)は「まさかロッカーが使えないとは。もう少し早く周知してほしかった」と話した。

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2019-05-25 02:01:00Z
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